今年のJリーグを予想するうえで降格がなくなった影響はとてつもなく大きいです。新しい戦術を浸透させようとするチームは勝敗を気にせず長期的な視点で戦うことができますし、監督解任のリスクが低くなったことで勝ち点1狙いの現実策を採るチームが少なくなります。

新たに3ヵ年計画を打ち出した浦和も降格なしの恩恵を受けるであろうチームです。いまいち戦術が定まらず残留争いに巻き込まれた昨シーズンから一転して、今年はハイライン・ハイプレスで攻撃では速攻を狙うテンポの早いサッカーに舵を切っています。開幕戦を見る限り得点と失点両方が増加する高リスクのサッカーであるように見えましたが、降格がなくなったことで1シーズン通してこのサッカーにチャレンジする余裕が生まれましたし、再開初戦となるマリノス戦でも選手たちからは真っ向勝負を挑む旨のコメントが多く出ています。同じくハイラインでの攻撃的なサッカーで優勝したマリノスに対してここまで新たに準備してきたサッカーをぶつける姿勢のため、この試合はハイテンポの打ち合いになる可能性が高いです。
そこで、打ち合い勝負になるとどうしても優位なのはマリノスの方です。守備陣に怪我人が出ている一方で前線はベストのメンバーでスタメンを組めるようですし、ハイラインでのノーガードで打ち合ってくれる相手に対しては仲川をはじめとして、スピードのあるアタッカーが背後のスペースを自由に使いまくる展開になりそうです。マリノスの攻撃力は説明不要の破壊力がありますので、再開初戦から複数得点は堅いかと思います。